• 日本酒
  • 酒蔵
  • 銘柄

どぶろく

どぶろく

どぶろくは、濁酒とも呼ばれ、米を発酵させて造られる日本酒の一種です。この酒は、(もろみ)を濾さずにそのまま瓶詰めされた状態のため、濁った外観を持っています。どぶろくの起源は非常に古く、日本酒の歴史と深く結びついており、かつては神に捧げる神聖な飲み物として貴重視されていました。特に豊作を祈る際に、神々に捧げられる酒の一つとして使用され、そのあとのおこぼれを頂くという形で庶民に親しまれるようになりました。

しかし、明治時代に入ると、酒に課される税金が厳しくなり、1899年(明治32年)に自家醸造が禁止されると、どぶろく文化は衰退していきました。今では、神社で行われるどぶろく祭りなどを通じて、その名残を見ることができます。

なお、どぶろくは酒税法上では「その他醸造酒」に分類され、日本酒としての法的な定義とは異なる位置づけとなっています。近年では、伝統的な製法で作られる手作りのどぶろくが注目を集めており、アーティザナルな飲み物として再評価されていることもあります。

関連用語

アルコール度数

アルコール度数とは、酒類に含まれるエチルアルコールの容量割合を指します。これは一般的に、酒の持つ...

生酒

生酒とは、搾りたての日本酒であり、出荷までに一切の加熱処理(火入れ)を行っていない清酒のことを指...

濁り酒

濁り酒とは、発酵過程で生成された酒造りの副産物や雑味成分を完全に取り除かずに、粗い濾過を施した清...

発酵

発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主...

MC炭

MC炭とは、分子篩活性炭の一種で、日本酒の醸造過程で用いられる脱臭剤として知られています。特に、ビ...

硝酸カリウム

硝酸カリウム(KNO3)は、化学的に重要な化合物で、主に肥料として利用されることで知られています。日...

滓引き

滓引きは、日本酒の製造過程において行われる重要な作業です。具体的には、上槽後にタンクの底に沈殿し...

希薄もと

希薄もとは、日本酒の造りにおいて特定の技法を用いて仕込まれるもとの一種です。この方法では、汲水量...

枝桶

枝桶(えだおけ)とは、日本酒の醸造過程において使用される小型の容器のことです。この用語は、主に大...

厚蓋

厚蓋(あつぶた)とは、日本酒の醪(もろみ)の発酵過程において、醪の表面に米粒が厚く浮かんでいる状...

醸造酒とは、原材料を発酵させることによって作られる酒類の総称です。主に米や麦、ぶどうなどの穀物や果実を使用し、酵母の働きによってアルコールが生成されます。日本酒(清酒)、ビール、ワインなどがこのカテゴリーに含まれます。これらの酒は、発酵による高い香りや味わいを持ち、文化や食事と深く結びついた楽しみ方がされます。醸造酒は、原材料や製造方法によって多様なスタイルが生まれ、各地域の特性を反映したものとなっています。

詳細を見る

酒税法とは、日本における酒類に課税するための法律であり、酒類の製造、販売、流通に関する基本的なルールを定めています。この法律では、酒類をアルコール分が1%以上含まれる飲料として定義し、製造や販売を行うためにはそれぞれ免許が必要です。酒税法は、製造者に対して納税の義務や課税基準、税率なども明確に規定しているため、国内の酒類製造を適正に管理し、税収を確保することを目的としています。これにより、日本の酒類産業の健全な発展と消費者の保護が図られています。

詳細を見る

瓶詰めは、日本酒の製造工程の重要なステップであり、清酒を最終的な容器である瓶に詰めることを指します。この工程では、酒が品質を維持したまま消費者に届くように、異物の混入や品質チェックが行われます。また、瓶詰めは通常、清酒の品質を保つために無菌的な環境で行われ、適切な温度管理や衛生状態が重要です。瓶詰め後は、製品としての保管や流通が開始されます。これにより、消費者は新鮮で良質な日本酒を楽しむことができます。

詳細を見る

発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主に酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変換することで、酒を醸造します。発酵は、呼吸と異なり、基質が完全に酸化されることはなく、その過程でアルコールや有機酸などの有用な物質が生成されるのが特徴です。これにより、酒独特の風味や香りが生まれ、風味豊かな日本酒ができあがります。発酵は、酒造りにおいて非常に重要な工程であり、温度や時間、酵母の種類などによってその結果が大きく変わります。

詳細を見る

醪(もろみ)とは、日本酒の醸造過程における主発酵の状態を指す用語です。酒母(しゅぼ)、麹(こうじ)、蒸米(むしまい)、仕込み水を組み合わせてタンク内で発酵させたもので、酒造りの中心的な工程となります。具体的には、酒母に水、麹、蒸米を数回に分けて投入し、糖化と発酵を進めることで、清酒の基盤を形成します。 醪の発酵が進むと、アルコールと二酸化炭素が生成され、液体部分が酒(原酒)となり、固形物が酒粕として分離されます。醪は一般的には酒類となる前の段階であり、酒税法においては発酵を行った原料の状態を...

詳細を見る