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日本酒で「甘口」ってどんな味?度数や味わいの違い、おすすめ銘柄を紹介

公開:2024/09/27

更新:2024/09/27

酒ガイド編集部

近年、空前の日本酒ブームが到来していますね。しかし、いざ日本酒を飲んでみようと思っても、「甘口」「辛口」といった言葉の羅列に圧倒されてしまう方も多いのではないでしょうか?

実は、日本酒の「甘口」は、フルーティーで飲みやすいものから、米の旨味が凝縮された濃厚なものまで、その味わいは実にさまざま。
一言に「甘口」と言っても、その奥は深いものなのです。

この記事では、日本酒初心者の方に向けて、「甘口」の日本酒とはどんなお酒なのか、基本的な情報を紹介。
深い知識がなくても、きっとあなたにぴったりの一杯が見つかるはずです。

読み進めていくうちに、きっとあなたも甘口日本酒の魅力に惹き込まれることでしょう。

日本酒の「甘口・辛口」を決める要素

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日本酒の甘辛を左右する大きな要素として、「日本酒度」と「酸度」があります。

日本酒度と酸度における甘辛の分類

(1)日本酒度:プラスは辛口、マイナスは甘口

日本酒度は、日本酒の甘辛の目安となる重要な指標です。 プラスの数値が大きくなるほど辛口、マイナスの数値が大きくなるほど甘口の傾向を示します。 具体的には、以下の表のように分類されます。

日本酒度

味わい

+7以上

辛口

+4~+6

辛口

+1~+3

やや辛口

±0前後

普通

-1~-3

やや甘口

-4~-6

甘口

-7以下

甘口

例えば、日本酒度+5の日本酒は「辛口」、日本酒度-3の日本酒は「やや甘口」に分類されます。 しかし、日本酒度だけで甘辛が決定されるわけではありません。後述する酸度なども影響するため、あくまでも目安として捉えておきましょう。

(2)酸度:一般的に酸度が低いと甘口に

日本酒度に加えて、甘口辛口を左右する要素が「酸度」です。酸度は、日本酒に含まれる有機酸の量を表す指標です。酸度が高いと、日本酒の味わいに酸味や旨味に影響を与えます。

同じ日本酒度で比べると、酸度が高いと甘みが相殺され辛口で濃厚な味わいに。一方酸度が低いと甘く、すっきりと淡麗な味わいになります。

酸度

一般的な味わいの傾向

低い

甘みを感じやすく、すっきりと淡麗な味わい

高い

甘みが打ち消され、辛口寄りで濃厚な味わい

(3)その他要素:アミノ酸も影響

日本酒の甘辛は、日本酒度酸度以外にも、アミノ酸など、様々な要素が複雑に絡み合って決まります。
例えば、アミノ酸が多いとコクや旨味があり甘く感じる傾向があります。

このように、日本酒の甘口辛口は、様々な要素が複雑に絡み合って決まります。また、甘辛の感じ方も人によって異なるため、さまざまな種類の日本酒を試飲して、自分好みの味を見つけてみましょう。

甘口の日本酒の特徴と魅力

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甘口の日本酒といっても、その「甘さ」は一概には語れません。 お米本来の旨味を強く感じるもの、みずみずしいフルーティーな甘みが特徴のものなど、さまざまな日本酒が存在します。

甘口の日本酒の一番の魅力は、なんといってもその飲みやすさです。 日本酒独特の苦みや渋みが苦手な方でも、甘口の日本酒なら比較的抵抗なく楽しめるでしょう。 日本酒初心者の方が、日本酒の奥深さを知る第一歩としても最適です。

(1)米の旨味?フルーティー?

一口に「甘い」と言っても、日本酒の甘さは多種多様です。米本来の旨みをしっかりと感じるもの、フルーティーで華やかな香りが特徴的なものなど、その味わいは実にさまざまです。

タイプ

特徴

例えばこんなお酒

フルーティー

華やかな香り、ジューシーでフルーティーな甘み

主に吟醸酒大吟醸酒 など

米の旨味

まろやかで優しい甘み、コクと深みも感じられる

主に純米酒生酛山廃仕込み など

このように、甘口の日本酒にも様々なタイプがあります。 自分好みの「甘い」を見つけるのも、日本酒の楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

(2)濃厚な味わい?それとも軽やかで淡麗?

日本酒の味わいには「濃厚」か「淡麗」かという指標があります。

「濃厚甘口」は、米の旨みやコクがしっかりと感じられ、豊かな香りと重厚な味わいが特徴です。飲み応えがあり、濃い味付けの料理やデザートと相性が良いです。

一方、「淡麗甘口」は、軽やかでスッキリとした味わいが魅力です。甘さは感じられますが、後味は爽やかでキレが良く、飲みやすい印象を受けます。軽めの料理や前菜と合わせやすく、食事全体を引き立てます。

おすすめの甘口日本酒

今回は、先ほどご紹介したフルーティー系or米の旨み系×濃厚or淡麗、4つの軸で初心者にもおすすめな「甘口の日本酒」をいくつかご紹介します。


濃厚:味が濃い

淡麗:すっきり軽やか

吟醸酒

A:濃厚甘美タイプ
濃厚+フルーティー系

甘みと香りを楽しみたい方に

B:爽やか甘口タイプ
淡麗+フルーティー系

軽やかで香り高い日本酒を好む方に

純米酒生酛山廃仕込み

C:旨口タイプ
濃厚+米の旨み系

伝統的な深い味わいを求める方に

D:クリアなタイプ
淡麗+米の旨み系

食事と合わせてスッキリ飲みたい方に

A:濃厚甘美タイプ(甘みと香りを楽しみたい方に)

日本酒初心者の方にまずおすすめしたいのは、フルーティーなタイプ。日本酒特有のクセが少なく、飲みやすいと感じるでしょう。

濃厚なタイプの日本酒は、濃密なコクと果実のような華やかな香りが特徴甘みが強く、デザートワインのような感覚で楽しめます。

B:爽やか甘口タイプ(軽やかで香り高い日本酒を好む方に)

このタイプの日本酒は、軽やかな飲み口と華やかな香りが特徴です。甘みは感じられますが、後味はスッキリとしており、爽やかな余韻が残ります。

食前酒やサラダ、魚介の前菜など、軽めの料理と合わせると相性抜群

フルーティーな香りと爽やかな味わいが調和したこの日本酒は、これから日本酒を楽しみたい方や、軽やかで香り高いお酒を探している方に最適です。

C:旨口タイプ(伝統的な深い味わいを求める方に)

伝統的な日本酒の深い味わいを楽しみたい方には、旨口タイプがおすすめです。米の旨みやコクがしっかりと感じられ、日本酒本来の醍醐味を堪能できるでしょう。

このタイプの日本酒は、深いコクとしっかりとした米の旨みが特徴。甘み、酸味、苦味、渋みがバランスよく調和し、複雑で豊かな味わいを楽しめます。

また、味の濃い料理や煮物、鍋料理などと合わせると、お互いの旨みを引き立て合うでしょう。

D:クリアなタイプ(食事と合わせてスッキリ飲みたい方に)

クセが少なくスッキリとした飲み口で、幅広い料理と合わせやすいクリアなタイプの日本酒は、淡麗な味わいとキレの良が特徴で。米の風味を感じつつも後味はさっぱりとしており、和食全般や魚料理、サラダなど、さまざまな料理と相性抜群です。

食事と共にスッキリ飲みたい方や、飲みやすいお酒を探している方にも最適なタイプです。

これらの銘柄を参考に、自分好みの甘口を探求してみてください。それぞれの酒蔵が造る背景や、酒米の違いにも注目してみると、より一層日本酒の奥深さを楽しむことができます。

甘口の日本酒をもっと楽しむには?

甘口の日本酒の魅力をさらに引き出すには、温度や料理との組み合わせを工夫してみましょう。

(1) 温度

日本酒は温度によって味わいが大きく変化します。甘口の日本酒も、温度を変えることで、甘味、香り、口当たりがさらに引き立つこともあります。

温度帯

味わい方の特徴

おすすめの特定名称酒タイプ

冷や(~15℃)

きりりと冷やすことで、甘みが抑えられ、スッキリとした飲み口に。

フルーティーな吟醸酒など

常温(15~30℃)

米本来の旨味や甘みがバランス良く感じられます。

コクのある純米酒など

燗酒(40℃~)

温めることで、香りが開き、まろやかでふくよかな味わいに。

熟成された古酒など

このように、同じお酒でも温度を変えるだけで、全く異なる表情を見せてくれます。色々な温度を試して、自分にとって一番美味しいと感じる温度を見つけてみて下さい。

(2) 料理とのペアリング

甘口の日本酒は、意外にも幅広い料理と相性が良いです。

  • 和食: 白身魚の刺身、だし巻き卵、茶碗蒸しなど、繊細な味付けの料理を引き立てます。

  • 洋食:クリームパスタやグラタンなど、濃厚な味わいの料理と合わせると、甘味がまろやかになり、バランスがとれます。

  • デザート:フルーツタルトやチョコレートケーキなど、甘いデザートとの組み合わせもおすすめです。

例えば、白身魚の刺身には、甘口の日本酒が持つフルーティーな香りが、魚の旨味を引き立てます。また、クリームパスタやグラタンのような濃厚な料理には、甘口の日本酒がコクとまろやかさをプラスし、お互いの味わいを引き立て合います。デザートと合わせる場合は、フルーツの酸味やチョコレートの苦味と、日本酒の甘味が絶妙なハーモニーを生み出します。

このように、甘口の日本酒は、和食はもちろん、洋食やデザートとも相性抜群です。ぜひ、いろいろな組み合わせを試して、自分好みのペアリングを見つけてみてください。

まとめ:自分好みの甘口日本酒を見つけよう!

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甘口」と一口に言っても、実に様々な味わいの日本酒があることを紹介しました。本記事を参考に、ぜひ自分好みの甘口日本酒を見つけてみてください。

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