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日本酒は太りやすい?気になる日本酒のカロリーと糖質。他のお酒との比較も!

公開:2025/06/06

更新:2025/06/06

酒ガイド編集部

日本酒は美味しく楽しめる一方で、「糖質やカロリーが高いのでは?」と気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、日本酒の糖質やカロリーについて詳しく解説し、他のお酒との比較や、糖質・カロリーを抑えて楽しむ方法についてもご紹介します。

日本酒のカロリーと糖質をひと目で比較

日本酒は米と米発酵させてつくられる醸造酒で、製造過程での精米歩合酵母の種類、アルコール添加の有無などによってアルコール度数や風味が変化します。その違いがカロリーにも影響を与えます。下の表では、主な日本酒の種類ごとにカロリーと糖質、さらにその理由をまとめました。

日本酒の種類

カロリー(100mlあたり)

糖質(100mlあたり)

解説

純米酒

約105kcal

約4.5g

米の旨味が残りやすく、タンパク質やデンプンが多い。アルコール度数も15%前後が多く、やや高めのカロリーに。

吟醸酒大吟醸酒

約110kcal

約3.5g

精米歩合が高く雑味を削るが、アルコール添加で香りを引き立てる場合もあり、結果的にカロリーが高くなることがある。

普通酒

約110kcal

約4.8g

醸造アルコールを添加するためアルコール度数がやや高くなり、カロリーや糖質も増えやすい。

本醸造酒

約105kcal

約4.2g

精米歩合が比較的高めで雑味を削りつつ、一部アルコール添加を行う。純米酒と同程度のカロリーに落ち着くことが多い。

生酒

約110kcal

約5.0g

火入れを行わないため酵母や微生物が活性状態で残り、糖分も比較的多く残りやすい。やや高めのカロリー・糖質になる。

濁り酒

約120kcal

約6.0g

フィルターを通さず米の固形分が多く、糖質や栄養素が残る分さらに高カロリー・高糖質になる。

※100mlあたり

※カロリーと糖質は文部科学省「日本食品標準成分表」(八訂)を参考にしたおおよその数値です。銘柄や製造方法によって変動があります。

一般的に、日本酒はアルコール度数が15%前後と比較的高いため、カロリーも高めです。純米酒本醸造酒は米の旨味が残りやすい一方、アルコール度数や糖質量が影響し、やや高めのカロリーになります。

他のお酒との比較

日本酒と他のお酒のカロリー・糖質を比較すると以下のようになります。

種類

カロリー(100mlあたり)

糖質(100mlあたり)

日本酒

100〜120kcal

3.5〜6.0g

ビール(中ジョッキ)

約40〜50kcal

約3.1g

ワイン(赤・白)

約70〜80kcal

約2.0〜2.5g

ウイスキー

約230kcal

0g

焼酎

約140kcal

0g

ハイボール

約50kcal

0g

ウイスキー焼酎蒸留酒のため糖質がゼロですが、日本酒は醸造酒なので糖質が含まれます。そのため、糖質が気になる方は飲み方を工夫する必要があります。

1杯あたりの量を考える

実際に飲む際は、1杯あたりの量でカロリーや糖質を把握するとより現実的です。以下に代表的なお酒の平均的な1杯の量と、そこから算出されるカロリー・糖質の目安を示します。

種類

標準的な1杯の量

1杯あたりのカロリー

1杯あたりの糖質

日本酒(グラス)

90ml

約90〜216kcal (100〜120kcal×1.8)

約3.15〜5.4g (3.5〜6.0g×0.9)

ビール(中ジョッキ)

500ml

約200〜250kcal (40〜50kcal×5)

約15.5g (3.1g×5)

ワイン(1杯)

150ml

約105〜120kcal (70〜80kcal×1.5)

約3.0〜3.8g (2.0〜2.5g×1.5)

ウイスキー(シングル)

30ml

約69kcal (230kcal×0.3)

0g

焼酎(ロック)

60ml

約84kcal (140kcal×0.6)

0g

ハイボール(1杯)

350ml

約175kcal (50kcal×3.5)

0g

※あくまで目安であり、実際の提供量や銘柄によって異なる場合があります。

日本酒を1合飲むと、約90〜216kcal 糖質約3.15〜5.4gを摂取することになります。ビールなら中ジョッキ1杯(500ml)で約200〜250kcal、ワイン1杯(150ml)で約105〜120kcalです。ウイスキー焼酎蒸留酒なので糖質がゼロですが、量や割り方によってカロリーは変わります。

このように、1杯あたりのカロリー・糖質を比べると日本酒はそれほど高カロリー・高糖質というわけではないのです。

糖質・カロリーが気になる場合は

1. 飲む量を調整する

日本酒のカロリーや糖質を気にする場合、飲む量を調整することが大切です。例えば、1合(180ml)ではなくグラス(90ml)にするだけで、摂取カロリーや糖質を半減できます。

2. 糖質オフの日本酒を選ぶ

最近では糖質オフ・ゼロをうたう日本酒も登場しています。こうした商品を選ぶことで、糖質の摂取を抑えることができます。

3. 食べ合わせを工夫する

日本酒と一緒に食べるものを工夫することで、カロリーや糖質の影響を調整できます。

  • 低糖質なおつまみ(刺身、焼き魚、豆腐料理など)を選ぶ
  • 揚げ物や甘い料理は控える

4. 適度な運動を心がける

日本酒を楽しむ前後は、適度な運動をすることでカロリー消費を促せます。
軽いウォーキングやストレッチを取り入れるのも良いでしょう。

まとめ

日本酒は、他のお酒と同じ量で比べてしまうとカロリー・糖質が比較的高めのお酒ですが、実際の飲み方は少量をちびちびと嗜むもの。なのでよほど飲みすぎなければそれほど気にすることもないといえます。

それでも気になる!という方は、飲み方や食べ合わせを工夫することで上手に楽しむことができます。飲む量や種類を調整し、バランスの良いおつまみとともに楽しむことで、健康的に日本酒ライフを満喫しましょう!

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