滓
おり「滓」とは、上槽したばかりの清酒をしばらく静置した際に、タンクの底に沈殿する白色の混濁物質のことを指します。上槽時には清酒は澄んだ液体ですが、時間が経つことで不純物や酵母の残骸が沈み、滓が形成されます。この滓は、特に新酒の状態において多く見られ、酒質を改善するためには取り除かれることが一般的です。滓は酒質に影響を与えるため、清酒の製造過程において重要な要素となっています。また、滓の存在は酒の熟成や風味にも影響を与え、酒造りにおいて注意深く管理される必要があります。
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詳細を見る熟成とは、日本酒が一定期間貯蔵される過程を指します。この過程では、火入れを施した清酒をタンクや瓶に貯蔵し、時間をかけて風味や香りが変化していきます。新酒特有の香りが和らぎ、飲みやすいまろやかな味わいに変わることが特徴です。熟成により、酒の中に含まれる成分が相互に作用し、より深みのあるコクや複雑な旨味を生み出します。熟成は日本酒の魅力を引き出す重要な工程であり、適切な環境下で行われることで、酒質が向上します。
詳細を見る清酒(せいしゅ)は、日本酒を指し、米と水を主成分として発酵させて作られる酒類です。醪(もろみ)を漉すことによって、澄んだ酒に仕上げられる点から「清酒」という名称が生まれました。また、清酒は特に醸造アルコールを添加せず、純粋に米の成分から生成されたものを指す場合が多いです。飲み方や提供方法も多様で、和食との相性が良く、冷やしても、温めても楽しむことができます。最も代表的な日本の伝統的な酒であり、国内外で高く評価されています。
詳細を見る新酒とは、その年の酒造年度内(7月1日から翌年の6月30日まで)に製造され、出荷された日本酒のことを指します。一般的には、出来上がったばかりの日本酒を新酒と称し、特にその年に収穫された新米を使用して醸造されたものが含まれます。このため、新酒はフレッシュな味わいや香りを楽しむことができるのが特徴です。特に12月から2月頃の冬季に市場に出回る新酒は、まだ熟成が進んでいないため、「新酒香」と呼ばれる特有の香りが楽しめます。また、酒造業界においては、製造年度(BY: Brewer Year)内に出荷されたもの全てを新酒と分...
詳細を見る上槽(じょうそう)は、日本酒の製造過程において完熟した醪(もろみ)を圧搾し、清酒と酒粕に分ける重要な操作を指します。この過程は「搾り(しぼり)」とも呼ばれ、伝統的には酒袋に醪を詰めて槽(ふね)に並べ、重力の力で自然に清酒を抽出する方法が用いられました。 上槽の基本的な流れは次の通りです。まず、醪を約5〜9リットルの酒袋に詰め、槽に並べて積み上げます。この初めに流れ出る濁った清酒を「荒走り(あらばしり)」と呼びます。槽が酒袋でいっぱいになると、上からカサ枠を載せて更に袋を積み重ね、通常約3時間ほど...
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