滓酒
おりざけ滓酒(かすざけ)とは、清酒を造る過程で滓引き(かすびき)した後に残る白濁した清酒のことです。滓引きとは、発酵後の清酒に含まれる酒粕(かす)を取り除く作業を指し、この過程で酒粕から揮発したり分離したりした成分が残り、独特の風味と香りを持つ酒が生まれます。滓酒は通常の清酒と比較すると濁りや甘みがあり、個性的な味わいが楽しめる一方で、製品化されることは少なく、特に地元の酒蔵でのみ取り扱われることが多いです。このような特徴から、滓酒は日本酒ファンの間では希少価値のある存在とされています。
関連用語
-
酵母
酵母とは、アルコール発酵に欠かせない単細胞の微生物であり、主に糖分を分解してアルコールと二酸化炭...
-
酒米
「酒米」とは、日本酒の製造に使用される米を指します。この中には、「酒造好適米」と呼ばれる特に日本...
-
生酒
生酒とは、搾りたての日本酒であり、出荷までに一切の加熱処理(火入れ)を行っていない清酒のことを指...
-
濁り酒
濁り酒とは、発酵過程で生成された酒造りの副産物や雑味成分を完全に取り除かずに、粗い濾過を施した清...
-
貯蔵
貯蔵とは、日本酒を火入れした後に一定期間寝かせて香味を熟成させるプロセスを指します。この期間中、...
-
無濾過
無濾過とは、日本酒の製造過程において濾過を行わない、あるいは最小限の濾過しか施さないスタイルを指...
-
醪
醪(もろみ)とは、日本酒の醸造過程における主発酵の状態を指す用語です。酒母(しゅぼ)、麹(こうじ...
-
荒走り
荒走り(あらばしり)とは、日本酒の醪(もろみ)を圧搾する過程において、最初に出てくる清酒のことを...
-
斗瓶囲い
斗瓶囲い(とびんかこい)とは、日本酒の特別な製法の一つで、主に高級吟醸酒に用いられます。この方法...
-
酸性リン酸カリウム
酸性リン酸カリウムは、日本酒の醸造において重要な役割を果たす添加剤の一つです。主に発酵を助けるた...
滓引きは、日本酒の製造過程において行われる重要な作業です。具体的には、上槽後にタンクの底に沈殿した滓(おり)を取り除くためのプロセスを指します。この作業は、タンクの底にある栓から滓を取り出すことで行われます。滓引きをすることで、清酒の透明度が向上し、風味や香りが整います。通常、白濁した清酒を数日間静置することで、上澄みと滓が分離され、清酒の品質が高まります。滓引きは、酒質を決定づける大切な工程であり、吟醸酒や大吟醸酒など高級酒にとって特に重要です。
詳細を見る酒粕は、日本酒を醸造する際に、醪(もろみ)を圧搾して清酒を取り出した後に残る固形物です。これは、未溶解の米粒や米麹、酵母などが含まれており、栄養価が非常に高い食品です。一般に「清酒粕」または単に「粕」と呼ばれ、さまざまな種類があります。例えば、板状の「板粕」は白くて固形のもので、熟成させた「練り粕」は茶色で柔らかい特徴があります。酒粕は食用として利用されるだけでなく、漬物や菓子、さらには焼酎の原料としても重宝されています。料理に風味や栄養を加える優れた食材です。
詳細を見る発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主に酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変換することで、酒を醸造します。発酵は、呼吸と異なり、基質が完全に酸化されることはなく、その過程でアルコールや有機酸などの有用な物質が生成されるのが特徴です。これにより、酒独特の風味や香りが生まれ、風味豊かな日本酒ができあがります。発酵は、酒造りにおいて非常に重要な工程であり、温度や時間、酵母の種類などによってその結果が大きく変わります。
詳細を見る清酒(せいしゅ)は、日本酒を指し、米と水を主成分として発酵させて作られる酒類です。醪(もろみ)を漉すことによって、澄んだ酒に仕上げられる点から「清酒」という名称が生まれました。また、清酒は特に醸造アルコールを添加せず、純粋に米の成分から生成されたものを指す場合が多いです。飲み方や提供方法も多様で、和食との相性が良く、冷やしても、温めても楽しむことができます。最も代表的な日本の伝統的な酒であり、国内外で高く評価されています。
詳細を見る