ー 造る酒は、ひとつ ー
創業160年の小さな蔵が、令和8年度は“米を分けて”仕込む理由
精米歩合(せいまいぶあい)とは、玄米を精米した際に残る白米の割合をパーセントで示す指標です。具体的には、精米後の白米の重量を元の玄米の重量で割り、100を掛けることで計算されます。例えば、精米歩合が60%ということは、玄米の外側40%が削り取られ、残りの60%が白米として使用されることを意味します。 精米歩合が低いほど、より多くの外層が削られており、精白された部分が大きくなります。結果として、雑味が少なく、スッキリとした味わいの日本酒が造られることが多いです。一般的に、精米歩合が高い(外層を多く残してい...
詳細を見る山田錦は、日本酒の製造において最も重要な酒造好適米の一つです。兵庫県の農業試験場で1936年に命名され、その後、日本を代表する酒米として認知されています。山田錦は、主に酒造りに適した特性を持っており、高精白が可能な心白を持っています。この特性により、吟醸酒や大吟醸酒の製造に特に重宝されています。 その栽培は非常に難易度が高く、倒伏しやすい性質や低い耐病性が課題とされますが、特に兵庫県三木市や加東市にある特A地区で生産された山田錦は、その品質が最上級とされています。心白が小さく、たんぱく質の含有が少...
詳細を見る仕込みとは、日本酒の醸造過程における重要な工程で、原材料である麹、蒸米、水を混ぜ合わせて、酛(酒母)や醪(もろみ)を作ることを指します。この過程では、まず水と麹を混ぜた「水麹」に蒸米を加え、混ぜ合わせて一定の温度に保ちます。この温度管理が、発酵の進行に大きな影響を与え、酒の風味や香りを決定づけるため非常に重要です。仕込みは通常、数回に分けて行われ、最終的に醪が形成され、アルコール発酵が進行します。
詳細を見る雑味とは、日本酒の味わいにおいて不快感を伴う要素を指します。一般的には、味のバランスが崩れた状態において現れるもので、特に苦味や渋みが強く感じられる場合に使われます。これらの雑味は、他の味わいとの調和が取れていない結果として現れるため、清酒の品質や風味の評価において一个重要な指標とされます。清澄な味わいに対して「雑味」は「きたない味」と形容されることもありますが、これは日本酒の本来の旨味や香りが損なわれていることを示唆しています。雑味が多すぎると、日本酒の飲みごたえは損なわれ、満足度は低下す...
詳細を見る辛口とは、日本酒の味わいの一つで、一般的に甘さが少なく、すっきりとした飲み口を持つことを指します。この表現は、ワインの「ドライ」に近い場合が多いです。辛口の日本酒は、通常、日本酒度がプラス(+)の数字で示され、数字が大きいほど辛口の印象が強くなります。 辛口の日本酒は、酸味やアルコール度数、香りの要素が絡み合い、個々の飲む人によって感じ方が異なることがあります。甘口と対照的に、辛口の酒は糖分が少なく、すっきりとした後味が特徴とされることが多く、和食やおつまみとの相性も良いとされています。
詳細を見る精米とは、玄米の表面を削り、一部の成分を取り除くプロセスを指します。この作業は、日本酒の醸造において非常に重要です。米の表面には、酒に対して悪影響を与える蛋白質や脂質、灰分、さらにはビタミン類などが多く含まれています。これらを取り除くことで、清酒の品質や風味を向上させます。精米は「米をみがく」とも表現され、精米歩合が低くなるほど米が白くキャラクターが際立っていきます。例えば、精米歩合が50%であれば、玄米の50%を削った状態を意味しており、一般的に精米歩合が低いほど高品質な日本酒が醸造されるとされ...
詳細を見る杜氏(とうじ)とは、酒蔵において酒造り全般を指揮する最高責任者のことを指します。杜氏は、酒造りを担う職人集団の長であり、酒の品質や製法に大きな影響を与える存在です。地域によって南部杜氏や越後杜氏、丹波杜氏などと呼ばれる杜氏の集団があり、それぞれ異なる伝統や技術を持っています。そのため、杜氏が変わると酒の味やスタイルにも変化が見られることがあります。 近年、杜氏の平均年齢は約65歳に達し、後継者の育成が急務となっています。杜氏は、蔵の運営や醪(もろみ)の仕込み・管理といった重要な業務を行い、日本...
詳細を見る新酒とは、その年の酒造年度内(7月1日から翌年の6月30日まで)に製造され、出荷された日本酒のことを指します。一般的には、出来上がったばかりの日本酒を新酒と称し、特にその年に収穫された新米を使用して醸造されたものが含まれます。このため、新酒はフレッシュな味わいや香りを楽しむことができるのが特徴です。特に12月から2月頃の冬季に市場に出回る新酒は、まだ熟成が進んでいないため、「新酒香」と呼ばれる特有の香りが楽しめます。また、酒造業界においては、製造年度(BY: Brewer Year)内に出荷されたもの全てを新酒と分...
詳細を見る愛知県愛西市の酒蔵・渡辺酒造は、
現在、令和8年度の酒造りの仕込みを進めています。
本年度は、銘柄も味の方向性も変えず、
使う米だけを二つに分けて仕込むという設計を採用しました。
山田錦100%・精米歩合40%で7,000本、
品評会で特別優秀賞を受賞した食米「にこまる」100%・精米歩合40%で3,000本。
新米新酒は、2026年4月14日顧客向けパーティー(ホテル日航大阪)の先行提供から始まる予定です。
愛知県愛西市に蔵を構える渡辺酒造は、
160年にわたり酒造りを続けてきた小さな蔵です。
時代や需要の変化に応じて、これまでは複数の酒を手がけてきました。
しかし昨年、私たちは一つの選択をしました。
これからは、造る酒を一つに絞り、
その一本にすべてを注いでいく。
祝いの場にだけ寄り添う酒――
それが、弥栄(いやさか)の酒「寿」です。味は変えずに・・・ただ、澄ませる
弥栄の酒「寿」は昨年のリリース以降フルーティでありながら、凛とした辛口
と、いう味わいで多くのお客様に親しまれてきました。
「昨年の味がとても良かった」
「毎年、この味を楽しみにしたい」
そうした声に、私たちは何より支えられています。
だからこそ、令和8年度の仕込みでも
味の方向性を変えることは一切考えていません。
目指したのは、“別の酒”ではなく、
同じ酒を、より澄んだかたちで届けることです

◾️ 令和8年度仕込みの概要
令和8年度は、以下の2種類の米を用い、
いずれも精米歩合40%まで磨き上げて仕込みを進めています。
山田錦 100%
・精米歩合40%
・7,000本限定生産予定
にこまる(食米)100%
・松阪市の米農家が育て、品評会特別優秀賞を受賞した米
・精米歩合40%
・3,000本限定生産予定
食米を40%まで磨くことは、効率だけを考えれば決して合理的ではありません。
それでも私たちは、
「寿」という一つの酒が、どこまで透明感を高められるのか
その可能性を確かめたいと考えました。


◾️ 精米歩合40%がもたらすもの
精米を深くすることで、
味の輪郭はより静かに、より端正になります。
・香りは派手になりすぎず
・雑味は角が取れ
・余韻は、よりすっと引いていく
基本のフルーティな辛口はそのままに、後口の透明感が一段階高まる設計としています。

◾️ 新米新酒は、まず顧客へ
弥栄の酒「寿」は、
毎年4月に開催する顧客向けパーティーにて、
新米新酒を最優先で提供致します。
令和8年度仕込みの新酒も、
2026年4月14日ホテル日航大阪にて開催するパーティーから
最初の一杯が注がれる予定です。
その後、一般市場へと順次投入していく――
この順番は、今後も変えません。
日頃から支えてくださる顧客を、
何より大切にしたいと考えているからです。

◾️ 年度刻印王冠について
弥栄の酒「寿」では、
製造年度を刻印した王冠を採用しています。
令和7年度刻印王冠
→ 令和8年4月まで販売
令和8年度刻印王冠
→ 令和9年4月まで販売予定
どの年度を手に取るか――
それもまた、この酒の楽しみ方のひとつです。

◾️ 祝いの場に、変わらぬ一杯を
160年の歴史の中で培ってきた技術と経験を、
今、私たちは一本の酒に注いでいます。
流行に合わせて増やすのではなく、
選び抜いて、磨き続ける。
令和8年度の弥栄の酒「寿」は、
その覚悟のもと、現在も静かに仕込みが進んでいます。
完成したその一杯が、
今年もまた、誰かの祝いの席に寄り添えたなら――
それ以上の喜びはありません。

◾️ 商品情報
・商品名:弥栄の酒「寿」
・製造元:渡辺酒造(愛知県愛西市)
・発売時期:2026年4月
(顧客向け先行提供後、通常販売)
・生産本数:計10,000本(年度限定)
公式サイト:https://sake-kotobuki.com
■ 会社概要
会社名 :渡辺酒造株式会社
所在地 :愛知県愛西市
創業 :1865年(慶応元年)
代表者 :山田 栄治
事業内容 :日本酒の醸造・販売
TEL:0567-28-4361
FAX:0567-55-8009