仕込み
しこみ仕込みとは、日本酒の醸造過程における重要な工程で、原材料である麹、蒸米、水を混ぜ合わせて、酛(酒母)や醪(もろみ)を作ることを指します。この過程では、まず水と麹を混ぜた「水麹」に蒸米を加え、混ぜ合わせて一定の温度に保ちます。この温度管理が、発酵の進行に大きな影響を与え、酒の風味や香りを決定づけるため非常に重要です。仕込みは通常、数回に分けて行われ、最終的に醪が形成され、アルコール発酵が進行します。
関連用語
-
酒母
酒母(さかも)は、日本酒を醸造する際に使用される重要な材料で、優れた酵母を大量に培養したものを指...
-
蒸米
蒸米とは、麹づくりや酒母、醪(もろみ)造りに用いるために、特別に蒸したお米のことを指します。蒸米...
-
清酒
清酒(せいしゅ)は、日本酒を指し、米と水を主成分として発酵させて作られる酒類です。醪(もろみ)を...
-
発酵
発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主...
-
SI培地
SI培地とは、日本酒の醸造過程において重要な役割を果たす簡易的な培地の一種です。主に、清酒が火落菌...
-
破精
破精(はせい)とは、麹米の表面に見える麹菌の菌糸によって形成される白い斑点のことを指します。これ...
-
雑用用水
雑用用水とは、日本酒造りにおいて、主に器具の洗浄やボイラーなどの設備で使用される水のことを指しま...
-
新陳代謝
新陳代謝(しんちんたいしゃ)とは、生物体が生存するために必要な物質を体内に取り込むとともに、不要...
-
加水調整
加水調整とは、日本酒の品質や飲みやすさを向上させるために、原酒に水を加えてアルコール度数や風味を...
-
酢酸発酵
酢酸発酵とは、アルコールが酢酸菌によって酸化されて酢酸が生成される過程を指します。これは主に、エ...
アルコール発酵とは、無酸素の環境下で酵母や細菌が糖類を分解し、エネルギーを生成する過程です。このプロセスでは、ブドウ糖(C6H12O6)が主な基質として利用され、最終的にエチルアルコール(アルコールの主要成分)と炭酸ガスが生成されます。日本酒の製造過程においては、米から得られる糖分が酵母によって発酵され、アルコールと風味豊かな成分が形成されます。このように、アルコール発酵は日本酒の風味や香りを左右する重要なステップです。
詳細を見る酒母(さかも)は、日本酒を醸造する際に使用される重要な材料で、優れた酵母を大量に培養したものを指します。これは、醪(もろみ)を仕込む前の段階で作られ、醸造の品質や発酵の安定性を確保するために極めて重要です。酒母には、速醸系酒母と生酛系酒母の2種類があります。速醸系酒母は、短期間で酵母を培養できるため、醸造工程が比較的スピーディに進むのが特徴です。一方、生酛系酒母は、自然な酵母の活動を利用して時間をかけて培養され、より複雑で深みのある風味をもたらすことができます。酒母の選び方や培養方法は、最終的...
詳細を見る蒸米とは、麹づくりや酒母、醪(もろみ)造りに用いるために、特別に蒸したお米のことを指します。蒸米は、まず白米を洗浄し、水に浸漬させてから蒸し上げます。このプロセスにより、米は柔らかくなり、酵母や麹菌が働きやすい状態になります。蒸米は、日本酒の醸造において非常に重要な素材であり、酒の風味や香りに大きな影響を与える役割を果たします。
詳細を見る発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主に酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変換することで、酒を醸造します。発酵は、呼吸と異なり、基質が完全に酸化されることはなく、その過程でアルコールや有機酸などの有用な物質が生成されるのが特徴です。これにより、酒独特の風味や香りが生まれ、風味豊かな日本酒ができあがります。発酵は、酒造りにおいて非常に重要な工程であり、温度や時間、酵母の種類などによってその結果が大きく変わります。
詳細を見る水麹(みずこうじ)とは、日本酒の製造過程において、仕込みの前に行う重要な準備作業の一つです。具体的には、所定の量の水と麹を混ぜ合わせることで、麹に含まれる糖化酵素をあらかじめ水に溶出させ、後に蒸米を加えた際の糖化反応のスピードと効率を高めることを目的としています。通常、酒母(しゅぼ)や醪(もろみ)の仕込み前1~2時間に行われます。水麹は、酒母の仕込み時に水に麹を混ぜる場合や、醪の初添え、仲添、留添の際にもそれぞれ行われ、工程ごとに必要な水と麹を混ぜて準備します。このプロセスにより、酒造りの際の...
詳細を見る麹(こうじ)は、主に米や麦に対して麹菌(こうじきん)を繁殖させたもので、日本酒を始めとする発酵食品の製造に不可欠な役割を果たします。特に日本酒の醸造においては、蒸した米に黄麹菌を育成させた米麹が使用され、この中で生成される酵素が重要です。 麹の成分には、米の中に含まれるデンプンをブドウ糖に変換するためのアミラーゼなどの糖化酵素や、米の蛋白質をアミノ酸に分解するための酵素が含まれています。これにより、米から得られる糖やアミノ酸が酒母やもろみの発酵を助け、日本酒特有の風味や香りを生み出します。 ...
詳細を見る醪(もろみ)とは、日本酒の醸造過程における主発酵の状態を指す用語です。酒母(しゅぼ)、麹(こうじ)、蒸米(むしまい)、仕込み水を組み合わせてタンク内で発酵させたもので、酒造りの中心的な工程となります。具体的には、酒母に水、麹、蒸米を数回に分けて投入し、糖化と発酵を進めることで、清酒の基盤を形成します。 醪の発酵が進むと、アルコールと二酸化炭素が生成され、液体部分が酒(原酒)となり、固形物が酒粕として分離されます。醪は一般的には酒類となる前の段階であり、酒税法においては発酵を行った原料の状態を...
詳細を見る酛(もと)とは、日本酒の造りにおいて非常に重要な要素であり、醪(もろみ)を仕込む前に優れた酵母を大量に培養したものを指します。酛は酒母とも呼ばれ、この工程を酛造りまたは酒母造りといいます。酛の作り方にはさまざまな手法があり、主に速醸酛と生酛に大別されます。 速醸酛は、乳酸を添加することで酵母を育てる手法で、短期間で酒造りを行うことができるため、効率的な醸造が可能です。一方、生酛は、自然に存在する乳酸菌を利用する方法で、伝統的な技術が用いられます。また、山廃酛や菩提酛など、さらに多様な手法もあ...
詳細を見る