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日本の伝統的酒造り、ユネスコ無形文化遺産へ勧告:登録決定は12月に
ユネスコの評価機関は、日本の「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告しました。こうじ菌を用いた独自の発酵技術で造られる日本酒や焼酎、泡盛などは、日本の文化や地域の結束を支える大切な存在です。12月に正式決定されれば、日本の無形文化遺産として23件目の登録となります。
文化庁は5日、ユネスコの評価機関が日本の「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表しました。この勧告は、12月2日から7日にパラグアイのアスンシオンで開かれる政府間委員会で正式決定される見通しです。登録が決まれば、日本の無形文化遺産として23件目の登録となります。
「伝統的酒造り」は、こうじ菌を使い、日本酒や焼酎、泡盛、本みりんなどを製造する技術で、各地の風土や気候に適応しながら長年にわたり継承されてきました。この技術は、発酵中にデンプンを糖に、糖をアルコールに変える「並行複発酵」を用いる独自の製法が特徴です。古くから日本の祭礼や儀式にも欠かせない存在として、地域の結束を深める役割も担ってきました。
勧告の発表に際して、阿部俊子文部科学相は「伝統的酒造りは日本の大切な文化であり、勧告は喜ばしいこと」と述べ、引き続き登録に向けて最善を尽くす意向を示しました。また、日本酒造組合中央会や関係者からも、国内外に日本酒の魅力を広めたいとの期待の声が上がっています。
特に、兵庫県や栃木県では、日本酒の原料となる酒造好適米の生産者や、焼酎用のサツマイモ生産者などが喜びの声を寄せました。無形文化遺産の登録が、日本酒や焼酎の国内消費や輸出拡大への追い風となり、業界全体の活性化に繋がると期待されています。
能登半島地震で被災した石川県の酒造会社も復興の後押しとして無形文化遺産登録を歓迎し、伝統技術のさらなる継承と普及に意欲を見せています。また、伝統的な技術を後世に伝えるため、職人の育成にも注力していく必要性が指摘されています。
このように、伝統的酒造りが無形文化遺産に登録されることで、日本の文化と技術が世界的に評価され、国内外の消費者にとっても日本の酒への関心が高まる契機となることが期待されます。
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