床
とこ
単語:床
説明:床とは、日本酒の製造過程における重要な設備で、麹室内に設置された大きな台を指します。主に木製やステンレス製で構成され、蒸米を引き込み、盛り付けておくための場所です。製麹工程では、床の上で床もみや切返しといった作業が行われ、麹菌が均一に広がるように工夫されます。この工程は、日本酒の風味や香りを決定づける重要な役割を果たしています。
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引き込みとは、日本酒の製造過程における重要な作業であり、蒸し上げた米を麹室に運び入れる作業を指します。この際、蒸米は温度33~36℃の条件下で床に積み上げられます。積み上げた後は、布を掛けて温度を保ちながら、麹菌が活発に働ける環境を整えます。このプロセスは、米から麹を作るための第一歩となり、最終的な日本酒の味わいや香りに大きな影響を与えます。
詳細を見る床もみとは、蒸米を麹室の床に広げ、種麹を均等に撒きつけた後、米に麹の胞子がしっかりと付くように手で揉み込む作業を指します。このプロセスは、麹菌が米に均一に広がり、発酵を効率的に進めるために重要です。また、床もみは、一般的に「床がえし」とも呼ばれ、仕込みの重要なステップとして日本酒の製造において欠かせない工程となっています。
詳細を見る切返しとは、日本酒の製造過程における麹造りの重要な工程であり、主に堆積した蒸米をかき混ぜる作業を指します。この工程は、床もみを行った後、約10~20時間経過した時点で行われます。この時期に麹菌が活発に生育を始めるため、蒸米内で温度や水分が不均一になります。そこで、切返しを行うことで、蒸米をほぐし、均一な状態に整えると同時に酸素を供給します。これにより、麹菌の活性を保ち、品質の高い麹の生成が促進されます。近年では、切返しを省略する製麹方法も用いられていますが、伝統的な製法ではこの工程が非常に重要視...
詳細を見る麹菌(こうじきん)は、主に日本の伝統的な発酵食品や酒類の製造に使用される糸状菌の一種で、特に麹カビ属に属します。麹菌は、米を蒸して作った蒸米に付着させることで発酵を促進し、米のデンプンを糖化する重要な役割を果たします。このプロセスは、日本酒、味噌、醤油、みりんなどの醸造において不可欠です。 最も一般的に使用される麹菌は「アスペルギルス・オリゼー」で、これは清酒や味噌、しょう油、みりんなどの製造に幅広く利用されます。麹菌が生成する酵素は、米のデンプンをブドウ糖に変化させることで、発酵過程を助け...
詳細を見る麹室(こうじむろ)とは、麹を製造するための専用の部屋で、特に日本酒の醸造において重要な役割を果たします。この部屋は、麹菌の生育に最適な温度と湿度を維持するために設計されています。一般的に、麹室には主に杉板が使用されており、保温性が高く、結露が起きにくい構造になっています。 麹室には通常、二つの区画(グループ)があり、それぞれ30℃から45℃程度の温度を安定的に保てるように管理されています。また、乾湿度の調整が容易であるため、麹菌の繁殖を促進し、質の高い麹を作る環境が整っています。加えて、室内には温...
詳細を見る製麹(せいきく)とは、日本酒やその他の発酵食品を作る過程で、麹菌を使用して米や他の穀物に繁殖させ、麹を生成する工程のことを指します。このプロセスは、米のデンプンを糖分に変えるために非常に重要で、酒造りにおいては主に米麹が使用されます。製麹の際には、温度や湿度を適切に管理し、麹菌が活発に活動できる環境を整えることが求められます。良質な麹が作られることで、酒の風味や香りに大きな影響を与えるため、非常に重要な工程です。
詳細を見る蒸米とは、麹づくりや酒母、醪(もろみ)造りに用いるために、特別に蒸したお米のことを指します。蒸米は、まず白米を洗浄し、水に浸漬させてから蒸し上げます。このプロセスにより、米は柔らかくなり、酵母や麹菌が働きやすい状態になります。蒸米は、日本酒の醸造において非常に重要な素材であり、酒の風味や香りに大きな影響を与える役割を果たします。
詳細を見る「盛り」とは、日本酒の製造過程における重要な工程で、特に製麹の一部を指します。この作業は、蒸米に白い菌糸が見え始めてから約12時間後に行われます。この時点で、蒸米をほぐしながら一定量ずつ箱に盛り付けることが必要です。 盛りの目的は、麹菌の活動を促進することと、発酵過程における温度管理を容易にすることです。床もみの工程から約20時間経過すると、麹菌の増殖が盛んになり、自然に温度が上昇してしまうため、このまま放置すると適切な発酵環境が保てなくなります。そこで、麹蓋や麹箱を使用して、蒸米を分配し、温度...
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