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汲掛け

くみかけ

汲掛け(くみかけ)は、日本酒の醸造過程において重要な技術の一つです。主に酒母仕込み後、蒸米が膨らんできた段階で行われます。この方法では、蒸米をつぶさないようにするため、荒櫂(あらかい)を入れずに、酒母の中央に穴を掘ります。そして、汲掛け用の枠(通常はアルマイト製の円筒または木製の角筒)を設置します。この枠は、外側に蒸米を移し、内部には液体だけが流入するように設計されています。

汲掛けの際、内部に溜まった酒母の液体を時々ひしゃくで外側の蒸米にふりかけることで、酒母の温度を均一に保ちつつ、蒸米が徐々に溶けていくのを助けます。これにより、酒母発酵がスムーズに進むことが促され、日本酒の品質向上に寄与します。汲掛けは、特に純米酒吟醸酒など、味わいを重視した酒の製造において重要な手法となります。

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吟醸酒は、日本酒の特定名称酒の一つであり、原料として精米歩合60%以下の白米、米麹、水、さらに場合によっては醸造アルコールを使用します。吟醸酒は、その製造過程において低温でじっくりと発酵させる「吟醸造り」技法が用いられ、これにより華やかでフルーティーな香りと、すっきりとした淡麗な味わいが特徴となります。 具体的には、精米歩合が60%以下である白米を使用し、香味や色合いが良好な清酒として仕上げられます。醸造アルコールは原料白米の重量の10%を超えない範囲で使用されます。吟醸酒には、純米吟醸酒や大吟醸...

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仕込みとは、日本酒の醸造過程における重要な工程で、原材料である麹、蒸米、水を混ぜ合わせて、酛(酒母)や醪(もろみ)を作ることを指します。この過程では、まず水と麹を混ぜた「水麹」に蒸米を加え、混ぜ合わせて一定の温度に保ちます。この温度管理が、発酵の進行に大きな影響を与え、酒の風味や香りを決定づけるため非常に重要です。仕込みは通常、数回に分けて行われ、最終的に醪が形成され、アルコール発酵が進行します。

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酒母(さかも)は、日本酒を醸造する際に使用される重要な材料で、優れた酵母を大量に培養したものを指します。これは、醪(もろみ)を仕込む前の段階で作られ、醸造の品質や発酵の安定性を確保するために極めて重要です。酒母には、速醸系酒母と生酛系酒母の2種類があります。速醸系酒母は、短期間で酵母を培養できるため、醸造工程が比較的スピーディに進むのが特徴です。一方、生酛系酒母は、自然な酵母の活動を利用して時間をかけて培養され、より複雑で深みのある風味をもたらすことができます。酒母の選び方や培養方法は、最終的...

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蒸米とは、麹づくりや酒母、醪(もろみ)造りに用いるために、特別に蒸したお米のことを指します。蒸米は、まず白米を洗浄し、水に浸漬させてから蒸し上げます。このプロセスにより、米は柔らかくなり、酵母や麹菌が働きやすい状態になります。蒸米は、日本酒の醸造において非常に重要な素材であり、酒の風味や香りに大きな影響を与える役割を果たします。

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荒櫂(あらかい)とは、日本酒の醸造過程において、酵母や醪(もろみ)が発酵を始めた後に行われる重要な操作の一つです。数時間経つと、発酵が進んだ醪の中で水を吸った蒸米と麹が山状に盛り上がることがあります。この状態で、固形物と液体部分を均一に混ぜるために、櫂(かい)という道具を使ってかき混ぜる作業が荒櫂です。この操作は、発酵を促進させ、酒質を整えるために欠かせない工程です。

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発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主に酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変換することで、酒を醸造します。発酵は、呼吸と異なり、基質が完全に酸化されることはなく、その過程でアルコールや有機酸などの有用な物質が生成されるのが特徴です。これにより、酒独特の風味や香りが生まれ、風味豊かな日本酒ができあがります。発酵は、酒造りにおいて非常に重要な工程であり、温度や時間、酵母の種類などによってその結果が大きく変わります。

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