抜掛け法
ぬけがけほう抜掛け法(ぬけかけほう)とは、日本酒の製造工程において、米を蒸す際の特別な手法の一つです。この方法では、甑(こしき)と呼ばれる蒸し器の中に白米を少しずつ重ねていきます。最初に少量の白米を平らに置き、蒸気がしっかりと吹き抜けるのを確認してから、追加の白米を正確な量で重ねる作業を繰り返します。これにより、蒸気が米全体に均等に行き渡ることで、蒸しあがりが均一になり、品質の高い酒造りが実現します。このように、抜掛け法は日本酒の風味や香りに大きく影響を与える重要な工程の一つです。
関連用語
-
浸漬米吸水率
浸漬米吸水率とは、日本酒の製造過程において、白米が浸漬(水に浸すこと)されて吸水する割合を示す指...
-
バラ麹
バラ麹とは、粒状でバラバラの形状を持つ米麹の一種です。日本酒の醸造において、麹は糖化を促進する重...
-
灘五郷
灘五郷とは、日本酒の名産地の一つであり、兵庫県の神戸市灘区から西宮市にかけての地域を指します。こ...
-
責め
「責め」とは、日本酒の上槽工程における重要な作業の一つです。具体的には、醪(もろみ)を詰めた酒袋...
-
調湿法
調湿法とは、蒸米の吸水率を最適に制御するために、洗米前の白米の水分量を調整する技術を指します。こ...
-
糠
糠(ぬか)は、米を精米する過程で生じる米の外皮やぬか層のことで、日本酒の製造において重要な役割を...
-
腐造乳酸菌
腐造乳酸菌は、醪(もろみ)中で活動し、乳酸を生成する特定の乳酸菌の一群を指します。この菌は、主に...
-
従量税
従量税とは、酒類に対して課される税金の一種で、課税の基準となるのは酒造場から移出される数量や、輸...
-
3-DG
3-DG(3-デオキシグルコソン)は、アミノ・カルボニル反応によって生成される中間生成物の一つです。...
-
あらばしり
あらばしりとは、日本酒の製造過程において、最初に搾り出される液体のことを指します。これは、醪(も...
蒸しとは、日本酒の醸造過程において、酒米を加熱処理する工程のことを指します。この工程では、甑(こしき)と呼ばれる蒸し器を使い、米に蒸気を通すことで米を柔らかくしていきます。蒸しによって、米のデンプンが gelatinization(ゼラチン化)し、酵母が糖分を利用しやすくなります。この重要な工程は、酒の風味や香りを形成する基盤となるため、酒造りの中でも欠かせないステップです。
詳細を見る白米とは、玄米から精米され、胚芽や米の表面が削除された米のことを指します。精米の過程で外皮や殻が取り除かれ、主に澱粉部分が残るため、白くて光沢のある状態となります。白米は日本酒の醸造において非常に重要で、精米歩合によって酒の風味や香りに影響を与えるため、特に品質の高い日本酒には厳選された白米が使用されます。一般的には、精米の度合い(粉砕の割合)が低いほど、良質で洗練された酒を生み出す傾向があります。
詳細を見る甑(こしき)とは、日本酒の製造過程において、原料米を蒸すために使用される道具です。一般に桶状の形をしていますが、底に「甑穴」と呼ばれる穴が開いており、ここから蒸気が上昇して米を均等に蒸し上げる仕組みになっています。伝統的には杉材で作られていましたが、最近では軽量で耐久性のあるアルミニウムやステンレス製の甑が主流になっています。また、現代ではコンベア式の連続蒸米機も多く採用されており、効率的な蒸し工程が実現されています。甑を用いた蒸し工程は、米の澱粉を gelatinize(ゼラチン化)し、日本酒の醸造に...
詳細を見る