櫂棒
かいぼう
櫂棒(かいぼう)とは、日本酒の醸造過程において、酒母や醪(もろみ)の物料を攪拌するために使用される木製の道具です。一般的には木材が使われますが、一部には竹が用いられることもあります。櫂棒の中でも特に多く用いられるのが蕪櫂(かぶらがい)で、これは竹棒や木製の棒の先に木製の板が取り付けられた形状をしています。長さに応じて大櫂(おおがい)約2.3m、三尺櫂(さんじゃくがい)約1.8m、もと櫂(もとがい)約1.5mなど、さまざまな種類があります。
さらに、先端が扁平でヘラ状になったへら櫂も存在し、特に生もと系の酒母の育成操作に役立てられます。櫂棒は、醸造過程において酵母の活性を促進し、発酵を均一にする重要な役割を果たしています。日本酒作りにおいては、櫂棒の形状や材質が、酒の品質に与える影響が大きいため、熟練した醸造家の技術が求められます。
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