筋泡
すじあわ
筋泡(すじあわ)は、日本酒の醪(もろみ)の発酵過程における特定の状態を示します。留め仕込後2~3日が経過すると、醪の表面に細い泡の筋が現れ、これが筋泡と呼ばれます。この状態は、発酵の開始を示すものであり、普通の酵母が働いていることの証でもあります。
筋泡が出現した後は、発酵が進むにつれて泡の状態が変化していきます。最初に現れる筋泡は、細くて少し不均一な線状の泡で、さらに数日経つと、白く軽い泡が広がり、これを水泡(みずあわ)と呼びます。この後、泡は次第に高くなり、岩のような形状になる岩泡(いわあわ)や、高く盛り上がった状態の高泡(たかあわ)へと変化します。
最終的には、泡が落ち着き、シャボン玉のような泡が残る玉泡(たまあわ)に至り、さらに玉泡が消えると、醪の表面が現れた状態を地(じ)と呼びます。この地の状態には、さまざまなバリエーションがあり、何も浮かんでいない坊主(ぼうず)、薄い皮が見えるチリメン泡(うすかわ)、米粒が浮かんでいる厚蓋(あつぶた)などが確認できます。
このように、筋泡は醪の発酵状態を理解するための重要な指標であり、日本酒の製造過程における微妙な変化を示しています。
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