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日本料理・東山 × 木下酒造 ~英国人杜氏フィリップ・ハーパー氏を迎えて ~一夜限りのSAKEペアリング体験~

ハイアット リージェンシー 京都(京都市東山区)では、日本料理・東山と京都・久美浜の老舗酒蔵・木下酒造による、初のコラボレーションディナーイベントを開催いたします。
特別な一夜を彩るのは、日本初の外国人杜氏として注目を集め、30年以上にわたり日本酒の世界に革新をもたらしてきたフィリップ・ハーパー氏と素材の声に耳を傾け、四季を料理に映す料理長 三輪篤史。伝統と創造が響き合うペアリングで、唯一無二の体験をお届けします。
コースに寄り添うのは、木下酒造の象徴とも言える熟成酒「燻銀 IBUSHIGIN」や、江戸時代の製法を再現した「Time Machine」、夏に人気の「Ice Breaker」など、この夜、この舞台のためだけに選び抜かれた、木下酒造の名酒が揃います。
料理人と杜氏、ふたりの表現者が生み出す、日本酒と日本料理の一期一会。当日は日本酒に関する杜氏のレクチャー、料理やペアリングについての説明もございます。
熟成の時間と季節の恵みが響き合う、プレミアムな一夜を五感でお楽しみください。
■イベント概要
開催日時: 2025年6月24日(火)午後6時30分~午後9時30分
場所:日本料理・東山(ハイアット リージェンシー 京都 地下1階)
内容:日本料理・東山による季節の会席料理と木下酒造の熟成酒を中心としたSAKEをご堪能いただく特別ペアリングディナー。料理一皿ごとに、その旨味や香りを引き立てる日本酒を厳選。特に、蔵で10年・15年熟成を経た「燻銀 IBUSHIGIN」シリーズや「Ice Breaker」「Time Machine」などのユニークな限定酒を、この夜だけの贅沢なコラボレーションでご堪能いただけます。
価格:お一人様 50,000円(料理、ペアリング日本酒を含む、税金・サービス料込)
要事前予約 ※電話またはオンラインで承ります。 電話:075-541-3201
ウェブサイト:https://www.hyatt.com/hyatt-regency/ja-JP/kyoto-hyatt-regency-kyoto
オンライン予約:https://www.tablecheck.com/ja/shops/kyoto-regency-hyatt-touzan/reserve
Eメールアドレス:touzan.kyoto@hyatt.com
■献立 × 日本酒ペアリング一覧
献立は変更になる可能性があります。ご了承ください。
●前菜
「蓮の葉盛り」鱧葛打ち 新順才 トマトの雫
夏の風物詩である鱧を使った一品。鱧は軽く葛を打って柔らかな食感に仕上げ、順才の爽やかな香りとともに口に広がります。トマトの雫がアクセント。繊細な味わいが楽しめる前菜です。

ペアリング酒:玉川 燻銀 純米大吟醸
2014年 仕込34号(冷蔵貯蔵)
IBUSHIGIN #3
10年熟成の純米大吟醸が奏でる旨味の旋律。特A地区・兵庫県産山田錦を40%まで磨き、低温発酵・低温熟成で丁寧に仕上げた純米大吟醸です。10年の歳月が旨味とまろやかさを重ね、ふくよかで透明感のある味わいを生み出しました。食事に彩りを添える熟成酒です。
黒毛和牛リブロース昆布締め とろろ芋 山葵菜 花穂紫蘇 振り柚子 美味出汁ジュレ 柚子胡椒
黒毛和牛リブロースを昆布で締め、旨味を凝縮させた奥深い味わいの一品です。和牛本来の甘みと昆布の風味が調和し、印象的な味わいを生み出します。とろろ芋のなめらかさと山葵菜の爽やかな辛み、花穂紫蘇の香りがアクセントに。美味出汁のジュレと柚子胡椒が味に奥行きを加えます。
ペアリング酒:Time MachineS 5年
江戸時代の製法を再現した熟成酒、Time MachineS。醸造年度の異なる3本のTime Machineのうち、まずは5年物をお楽しみください。

●煮物椀
「丸仕立て」丸の玉〆 冬瓜スープ煮 結び野菜 芽葱 露生姜
すっぽんから取った贅沢なスープと鰹出汁を合わせた吸物の中に、卵の力を活かしてすっぽんの旨味を閉じ込めた玉〆と、スープで煮た冬瓜を入れて仕立てました。結び野菜が彩りを添え、芽葱と露生姜の香りが風味を引き立てる一品です。

●造り
天然明石鯛 自家製唐寿美 花穂紫蘇 煎り酒
旬の天然明石鯛を薄造りに仕立て、自家製の唐寿美(カラスミ)を添えて、豊かな旨味とコクを引き立てました。花穂紫蘇の香りが爽やかな余韻を与え、まろやかな煎り酒が全体をやさしく包み込みます。素材の持ち味を活かした、端正な一品です。
車海老キャビア
新鮮な車海老の上品な甘みに、キャビアの塩味が重なり合う、シンプルながら贅沢な一品です。華やかさの中にも、素材の確かな美味しさが生きています。
本鮪 鯵 あしらい物 生山葵
新鮮な本鮪と鯵を生山葵で引き立てる、日本酒によく合う一品です。
ペアリング酒:玉川 Ice Breaker(アイスブレーカー)
爽やかなペンギンのラベルが目印の夏季限定酒。ロックで飲むことを前提に設計され、氷が溶けるごとに温度とアルコール度数、味わいが刻々と変化します。キレのある味わいが魚介の旨味を引き立てる、純米吟醸 無ろ過生原酒です。
●凌ぎ
若鮎塩焼き 鮎のリエット 白龍 胡瓜酢蓼葉 美味出汁
香ばしく焼き上げた若鮎と、なめらかに仕立てた鮎のリエットを組み合わせた一品です。胡瓜酢の爽やかな酸味と蓼葉のほろ苦さがアクセントとなり、美味出汁が鮎の塩焼きの旨味をさらに引き立てます。清流を思わせる、初夏らしい趣のあるお料理です。
ペアリング酒:Time MachineS 10年
江戸時代のレシピが再現するコクと複雑な香味が川魚と熟成の妙を演出する、Time Machineの10年物です。
●魚料理
甘鯛松笠焼き アスパラガスおかき揚げ 碓氷豆すり流し 甘鯛スープの泡
鱗を香ばしく焼き上げた甘鯛の松笠焼きに、アスパラガスのおかき揚げを添えた初夏の一皿です。ほのかな甘みの碓氷豆すり流しが清涼感を添え、甘鯛の出汁を泡仕立てにしたスープが全体をやさしく包み込みます。
ペアリング酒:玉川 山廃純米 無濾過生原酒 北錦
玉川の定番といえばこの「山廃」シリーズ。酵母無添加の酛(もと)から生まれた酸とアミノ酸が豊富な純米酒で、五味(酸・辛・甘・塩辛・苦)が力強く表現され、コクも切れも抜群です。

●口直し
玉川Time Machine 1712のソルベ
Time Machine 1712を使用し、酒そのものの甘味を活かしたソルベ。熟成酒の余韻を感じながらも、爽やかな冷たさがお口の中をリフレッシュしてくれます。

●肉料理
黒毛和牛「京の牛」フィレ
煮込み大蒜 クレソンソース 諸味味噌ソース 賀茂茄子 山葵 新生姜入り桜海老御飯
厳選した黒毛和牛「京の牛」のフィレ肉を使用し、肉の旨味と繊細な食感を引き出しました。
煮込み大蒜のまろやかな甘みとクレソンソースの爽やかさが調和し、諸味味噌が味わいに奥行きを加えます。滋味深い賀茂茄子とともに、新生姜と桜海老を炊き込んだ香ばしい御飯を添え、季節を感じる締めくくりの一品に仕上げました。
ペアリング酒:玉川 燻銀「自然仕込」 2010年 仕込43号(常温貯蔵)
「自然仕込」は純粋培養酵母や乳酸を一切使わず、蔵内に棲む微生物の力で醸された日本酒。常温で15年熟成されたこの酒の力強さと透明感が和牛のコクに寄り添い、温度変化でさらなる味の広がりが楽しめます。
●水物
季の実 レモンゼリー ミント
季節の果物とレモンゼリーが爽やかな酸味が楽しめる一品。ミントの香りがさっぱりとした後味を残します。
●甘味
焼き胡麻豆腐 バニラアイス
香ばしい胡麻豆腐の焼き具合とバニラアイスの甘さが絶妙に調和。ペアリング酒とベストマッチな一品です。
ペアリング酒:Time MachineS 15年
まるでみたらし団子のような風味が和の甘味に心地よく調和し、最後の一品にふさわしい一杯に。熟成の魅力・時間軸による変化を五感で感じていただけます。

Time MachineSとは
1712年の製造法を再現したTime Machine。精米歩合は当時の精米技術の限界と思われる88%。麹造りには現代の標準の1.5倍にあたる72時間、酵母無添加の「酒母」には1ヵ月かけます。2ヵ月近く発酵させるもろみは仕込水の量が少ないため極めて硬く、搾った酒は現代の標準量の約半分。日本酒が大量生産品ではなかった時代の造り方です。
Time Machineは、新酒の段階で一般的な酒の10年古酒ほどの深い黄色、5年で薄いコーヒー色、10年たつと醤油のような黒さになります。また、若いときのみたらし団子や蜂蜜の風味から徐々に香ばしいキャラメル感やスモーキーさを増し、さらにドライフルーツ、奈良漬け、醤油、干し椎茸やチョコレートへと変化していきます。

■木下酒造について
京都府京丹後市久美浜町に位置する木下酒造は、創業150年を超える老舗蔵元。伝統的な手法を守りながらも、自由な発想で日本酒づくりに挑戦し続けています。「玉川」「Ice Breaker(アイスブレーカー)」など個性豊かな銘柄は、国内外で高く評価されています。
■杜氏:フィリップ・ハーパー氏(木下酒造)
イギリス・コーンウォール州出身。オックスフォード大学で英文学を学び、1988年にJETプログラムで来日。奈良県の酒蔵で蔵人として修行を重ね、2001年、外国人として初めて南部杜氏協会の杜氏資格を取得。現在は木下酒造で杜氏を務め、日本酒の魅力を世界に伝える第一人者として活躍中。著書多数。


■料理長:三輪 篤史
(ハイアット リージェンシー 京都 日本料理・東山)
兵庫県出身。温泉旅館や外資系ホテルでの経験を経て、2014年にハイアット リージェンシー 京都に入社。2018年、日本料理・東山の最年少料理長に就任。素材の持ち味を活かした繊細な料理を得意とし、料理人コンペティション「RED U-35」のシルバーエッグ賞ほか数々のコンペティションで受賞するなど、次世代を担う料理人として注目を集めている。
■日本酒ペアリング監修:小山 幸子(ハイアット リージェンシー 京都 日本料理・東山 マネージャー)
パーク ハイアット 東京の開業時にバーテンダーとして勤務。料飲サービスおよび接客の研鑽を積む。渡英後、国際利き酒師の資格を取得。以降、三ツ星レストランなどでシェフソムリエ、ビバレッジマネージャーとして、メニュー開発やスタッフトレーニングなどを担当。2015年から2019年まで、中小企業基盤整備機構で英国における日本酒の海外販路拡大を支援するアドバイザーを務める。
2015年、2021年から2024年のInternational Wine Challengeにて審査員。

本リリース中の「ハイアット」とは、ハイアットホテルズ コーポレーションおよび(または)その関連会社を指す用語として使用されています。
ハイアット リージェンシー 京都 ホテル概要
所在地: 京都府京都市東山区三十三間堂廻り644番地2
電話番号: 075-541-1234(代表)
最寄り駅: JR京都駅よりタクシーで約10分、京阪電車七条駅より徒歩約7分
階数: 地上5階建て
延べ床面積:27,358.96㎡
総客室数: 187室
料飲施設: オールデイダイニング・カフェ 33(サーティースリー)、日本料理・東山、
イタリアン・トラットリア セッテ、Touzanバー
宴会施設: 大宴会場 1室、中宴会場 2室、小宴会場 6室
スパ: RIRAKUスパ アンド フィットネス
駐車場: 70台収容
ハイアット リージェンシー 京都は、感染症予防対策において国際的な衛生基準を満たした施設であることを証明するジーバック・スター・ファシリティ・アクレディテーション(以下GBAC STAR™認証)も取得しています。
ハイアット リージェンシー 京都について
ハイアット リージェンシー 京都は、古の自然・歴史を今に伝える緑豊かな東山七条の一角に位置し、京都国立博物館、三十三間堂などの名所史跡に囲まれています。ホテルのデザインはスーパーポテト杉本貴志氏の総監修によるもので、和の伝統美を現代の感性で表現したコンテンポラリージャパニーズをコンセプトにしています。ホテルが位置する東山七条は、後白河天皇(在位:1155~1158年)の旧御領である広大な敷地の一角をなし、ホテル内の由緒ある日本庭園からは、悠久の歴史と移ろい行く古都の季節を感じることができます。
ハイアット リージェンシー 京都では、斬新かつスタイリッシュな3つのレストラン、バーをお楽しみいただけます。京都ならではの食材を用い、素材の持ち味を存分に引き出しながら、創造性豊かにそしてリラックスした雰囲気でご提供いたします。
ハイアット リージェンシーについて
ハイアット リージェンシーは、世界40カ国以上で200軒以上のホテルとリゾートを展開するグローバルコレクションです。広大なリゾートから都会のシティセンターまで、多様なポートフォリオの深さと幅広さはブランドの進化を重んじる精神の証。50年以上にわたり、ハイアット リージェンシーは斬新な視点と豊かな体験を推進してきました。その先進的な哲学は、人々を結び付け、コミュニティーの精神を育む魅力的な空間をお客様に提供しています。ホスピタリティーの原点として、ハイアット リージェンシーのホテルやリゾートは、常にオープンマインドとオープンハートでお客様をお迎えし、忘れられないセレブレーション、くつろぎのひととき、卓越した美食体験、専門スタッフとのミーティングやテクノロジーを駆使したコラボレーションをお届けします。ハイアット リージェンシーは洞察に満ちたケアを誇りに、世代を超えてあらゆる国と文化の人々を歓迎します。詳しくはhyattregency.com をご覧ください。Facebook、X/Twitter、Instagramで、@HyattRegencyをフォローしてください。ハッシュタグ「#HyattRegency」を付けた写真の投稿もお待ちしています。
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アルコール度数とは、酒類に含まれるエチルアルコールの容量割合を指します。これは一般的に、酒の持つアルコールの濃度を示す指標で、度数で表示されます。日本酒の場合、最も一般的なアルコール度数は15度前後ですが、それ以下の低濃度アルコール酒(15度以下)や、より高い原酒(18~20度)のバリエーションも存在します。アルコール度数は、清酒の品質や味わいに大きく影響を与え、酒造りにおける重要な要素の一つです。アルコール度数の測定は、清酒を特定のプロセスで蒸留し、水を加えて元の濃度に戻した後、15度で計測する方法...
詳細を見る酵母無添加とは、発酵の際に人工的に酵母を加えず、自然に蔵に存在する酵母だけを使って造られる日本酒のことを指します。主に生酛(きもと)や山廃(やまはい)といった伝統的な造り方において見られる手法で、これらの製法では蔵に住み着いている環境由来の酵母を取り込み、発酵を行います。酵母無添加の日本酒は、自然の微生物による多様な風味が引き出され、個性的で複雑な味わいが特徴です。こうした酒造りは、地域の風土や気候、そして蔵元の技術が密接に関わっており、各蔵それぞれの特徴を楽しむことができます。
詳細を見るペアリングとは、お酒と料理の相性を考慮して、互いの味わいや香りを引き立てるように組み合わせることを指します。特に日本酒においては、酒の種類や味わい、香り、酸味、甘味を考慮しながら、食材や調理法に合ったお酒を選ぶことで、食事全体の体験をより豊かにすることができます。その結果、酒と料理それぞれの魅力が引き立ち、より一層楽しむことができるのです。ペアリングは、地域の特産物同士を組み合わせたり、日本酒の製造方法に応じた料理を考えたりすることで、奥深い味わいのハーモニーを生み出します。
詳細を見る純粋培養とは、特定の微生物(例えば、酵母や細菌など)を単一の菌株として分離し、他の微生物との混ざり合いがない状態で増殖させる技術のことを指します。この方法は、発酵過程において一貫した風味を持つ日本酒を造るために重要です。純粋培養された酵母は、特定の香りや味わいを生み出し、醸造の安定性を高める役割を果たします。日本酒の品質向上に寄与するこの技術は、特に酒造りにおいて科学的なアプローチを重視する醸造所で広く用いられています。
詳細を見る精米歩合(せいまいぶあい)とは、玄米を精米した際に残る白米の割合をパーセントで示す指標です。具体的には、精米後の白米の重量を元の玄米の重量で割り、100を掛けることで計算されます。例えば、精米歩合が60%ということは、玄米の外側40%が削り取られ、残りの60%が白米として使用されることを意味します。 精米歩合が低いほど、より多くの外層が削られており、精白された部分が大きくなります。結果として、雑味が少なく、スッキリとした味わいの日本酒が造られることが多いです。一般的に、精米歩合が高い(外層を多く残してい...
詳細を見る南部杜氏は、日本の代表的な杜氏(酒造りの技術者)集団の一つで、特に岩手県を中心に活動しています。日本三大杜氏の一つとして知られており、越後杜氏(新潟県)や但馬杜氏(兵庫県)と並んで評価されています。最盛期の昭和40年代には、約3,200人もの杜氏が加盟しており、その技術と風土に根ざした独自の酒造りが広まりました。南部杜氏は、優れた稲作地帯である岩手県の石鳥谷町が発祥であり、この地域の豊かな水と高品質な米を活かした日本酒が、高い評価を受けています。南部杜氏の酒造りは、伝統と革新のバランスを大切にし、繊...
詳細を見るアミノ酸は、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持つ化合物で、蛋白質の主要な構成成分のひとつです。日本酒において、アミノ酸は味わいの重要な要素となり、特に甘味、旨味、酸味、苦味を形成します。清酒には約19種類のアミノ酸が含まれており、その量が酒の風味や飲みごたえに大きく影響を与えています。 具体的には、アミノ酸度が高い酒はコクのある豊かな味わいを持ちますが、逆に過剰なアミノ酸は雑味を感じさせることもあります。一方で、アミノ酸度が低い酒は、すっきりとした淡麗な味わいが特徴です。アミノ酸は...
詳細を見る純米酒は、白米、米麹、水を原料として醸造された清酒の一種です。精米歩合は70%以下で、米と米麹のみを使用しているため、添加物や醸造アルコールは一切含まれていません。このため、純米酒はお米本来の風味を存分に楽しむことができ、豊かな味わいを持つことが特徴です。 製法品質表示基準に基づいて、純米酒は特定名称酒の一つとして認定されています。この基準によれば、香味や色沢が良好であることが求められていますが、厳密な精米歩合の基準は設定されていません。一般的に純米酒は、しっかりとした味わいと芳醇な香りが楽し...
詳細を見る無濾過とは、日本酒の製造過程において濾過を行わない、あるいは最小限の濾過しか施さないスタイルを指します。この方法では、日本酒が本来持つ色調や香味特性がより豊かに残るため、個性を重視する蔵元に人気があります。一般的に、無濾過の日本酒は山吹色の色調を示し、香気成分が豊富で、味わい深いものが多いです。 濾過の目的は、脱色や香味調整、異臭の除去ですが、濾過を行うことで日本酒本来の特徴が損なわれる恐れがあります。そのため、近年では無濾過や軽い濾過によって製造された酒が増加しています。無濾過とされる日本...
詳細を見る山田錦は、日本酒の製造において最も重要な酒造好適米の一つです。兵庫県の農業試験場で1936年に命名され、その後、日本を代表する酒米として認知されています。山田錦は、主に酒造りに適した特性を持っており、高精白が可能な心白を持っています。この特性により、吟醸酒や大吟醸酒の製造に特に重宝されています。 その栽培は非常に難易度が高く、倒伏しやすい性質や低い耐病性が課題とされますが、特に兵庫県三木市や加東市にある特A地区で生産された山田錦は、その品質が最上級とされています。心白が小さく、たんぱく質の含有が少...
詳細を見る酵母とは、アルコール発酵に欠かせない単細胞の微生物であり、主に糖分を分解してアルコールと二酸化炭素に変える役割を果たします。日本酒の醸造においては、酵母の種類によって生まれる香りや味わいが大きく変わるため、目的に応じて様々な酵母が使い分けられます。例えば、吟醸酒では芳香成分を多く生成する特性を持つ酵母が使用されることが多いです。このように、酵母は日本酒の風味を左右する重要な要素であり、発酵力が強いことから、醸造やパン製造など多岐にわたって利用されています。酵母の選択が、最終的な製品の品質に大...
詳細を見る酒母(さかも)は、日本酒を醸造する際に使用される重要な材料で、優れた酵母を大量に培養したものを指します。これは、醪(もろみ)を仕込む前の段階で作られ、醸造の品質や発酵の安定性を確保するために極めて重要です。酒母には、速醸系酒母と生酛系酒母の2種類があります。速醸系酒母は、短期間で酵母を培養できるため、醸造工程が比較的スピーディに進むのが特徴です。一方、生酛系酒母は、自然な酵母の活動を利用して時間をかけて培養され、より複雑で深みのある風味をもたらすことができます。酒母の選び方や培養方法は、最終的...
詳細を見る貯蔵とは、日本酒を火入れした後に一定期間寝かせて香味を熟成させるプロセスを指します。この期間中、日本酒は味や香りがまろやかになり、全体的なバランスが整います。一般的には、タンク内で熟成が行われますが、一部の蔵では瓶詰め後も低温で保管し、瓶貯蔵することがあります。このような貯蔵方法によって、酒質がさらに向上し、独特の風味が増すことが期待されます。
詳細を見る蔵人(くらびと)とは、日本酒を製造する酒蔵で、実際に醪(もろみ)づくりに従事する職人のことを指します。彼らは、杜氏(とうじ)と呼ばれる技術責任者の指導のもと、酒の仕込みや発酵管理などを行い、高品質の清酒を生み出す重要な役割を担っています。蔵人は伝統的な技術や知識を継承し、時には新しい製法を取り入れながら、米、水、酵母という基本的な原料から日本酒を造る熟練の技術者です。日本酒の風味や品質は、蔵人の技術と情熱によって大きく左右されます。
詳細を見る精米とは、玄米の表面を削り、一部の成分を取り除くプロセスを指します。この作業は、日本酒の醸造において非常に重要です。米の表面には、酒に対して悪影響を与える蛋白質や脂質、灰分、さらにはビタミン類などが多く含まれています。これらを取り除くことで、清酒の品質や風味を向上させます。精米は「米をみがく」とも表現され、精米歩合が低くなるほど米が白くキャラクターが際立っていきます。例えば、精米歩合が50%であれば、玄米の50%を削った状態を意味しており、一般的に精米歩合が低いほど高品質な日本酒が醸造されるとされ...
詳細を見る「盛り」とは、日本酒の製造過程における重要な工程で、特に製麹の一部を指します。この作業は、蒸米に白い菌糸が見え始めてから約12時間後に行われます。この時点で、蒸米をほぐしながら一定量ずつ箱に盛り付けることが必要です。 盛りの目的は、麹菌の活動を促進することと、発酵過程における温度管理を容易にすることです。床もみの工程から約20時間経過すると、麹菌の増殖が盛んになり、自然に温度が上昇してしまうため、このまま放置すると適切な発酵環境が保てなくなります。そこで、麹蓋や麹箱を使用して、蒸米を分配し、温度...
詳細を見る発酵とは、微生物が基質を分解し、エネルギーを得る過程のことを指します。日本酒の製造においては、主に酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変換することで、酒を醸造します。発酵は、呼吸と異なり、基質が完全に酸化されることはなく、その過程でアルコールや有機酸などの有用な物質が生成されるのが特徴です。これにより、酒独特の風味や香りが生まれ、風味豊かな日本酒ができあがります。発酵は、酒造りにおいて非常に重要な工程であり、温度や時間、酵母の種類などによってその結果が大きく変わります。
詳細を見る熟成とは、日本酒が一定期間貯蔵される過程を指します。この過程では、火入れを施した清酒をタンクや瓶に貯蔵し、時間をかけて風味や香りが変化していきます。新酒特有の香りが和らぎ、飲みやすいまろやかな味わいに変わることが特徴です。熟成により、酒の中に含まれる成分が相互に作用し、より深みのあるコクや複雑な旨味を生み出します。熟成は日本酒の魅力を引き出す重要な工程であり、適切な環境下で行われることで、酒質が向上します。
詳細を見る杜氏(とうじ)とは、酒蔵において酒造り全般を指揮する最高責任者のことを指します。杜氏は、酒造りを担う職人集団の長であり、酒の品質や製法に大きな影響を与える存在です。地域によって南部杜氏や越後杜氏、丹波杜氏などと呼ばれる杜氏の集団があり、それぞれ異なる伝統や技術を持っています。そのため、杜氏が変わると酒の味やスタイルにも変化が見られることがあります。 近年、杜氏の平均年齢は約65歳に達し、後継者の育成が急務となっています。杜氏は、蔵の運営や醪(もろみ)の仕込み・管理といった重要な業務を行い、日本...
詳細を見る新酒とは、その年の酒造年度内(7月1日から翌年の6月30日まで)に製造され、出荷された日本酒のことを指します。一般的には、出来上がったばかりの日本酒を新酒と称し、特にその年に収穫された新米を使用して醸造されたものが含まれます。このため、新酒はフレッシュな味わいや香りを楽しむことができるのが特徴です。特に12月から2月頃の冬季に市場に出回る新酒は、まだ熟成が進んでいないため、「新酒香」と呼ばれる特有の香りが楽しめます。また、酒造業界においては、製造年度(BY: Brewer Year)内に出荷されたもの全てを新酒と分...
詳細を見る山廃(やまはい)は、日本酒の製造における酒母(しゅぼ)の製法の一つで、特に「山卸し」と呼ばれる工程を省略したものです。通常、酒母を作る際には、蒸した米を櫂でつぶす「もとすり」という作業が行われますが、山廃ではこの工程を廃止(けいはつ)しています。山廃の製法は、自然の酵母を多く取り入れ、糖化や発酵の過程を様々な酵母の働きに委ねるため、独特の深い味わいが生まれます。 この製法による日本酒は、通常の醸造過程よりも複雑で重厚な風味が特徴で、熟成においても個性的な香りを引き出します。山廃の日本酒は、特...
詳細を見る古酒とは、製造年度内に造られた新酒に対し、貯蔵期間を経て出荷・提供される日本酒を指します。一般的には、製造から3年以上熟成させた日本酒が古酒とされ、熟成によって味わいがまろやかになり、独特の深みを持つようになります。古酒の表示には明確な規定が存在しないため、3年や5年、さらには10年、15年といった長期熟成酒が有名です。長い熟成を経た日本酒は琥珀色の色調や複雑な香りを持ち、日本酒の中でも高価な部類に入ります。また、酒造業界では、酒造年度が変わると、それ以前に造られたすべての酒を古酒と呼ぶため、古酒の...
詳細を見る**原酒(げんしゅ)** 原酒とは、醪(もろみ)を搾った後に水を一切加えずに製造された日本酒を指します。このため、アルコール度数は通常18度から20度程度と高めで、濃厚な味わいが特徴です。一般的な日本酒は風味の調整やアルコール度数の適正化のために水を加えますが、原酒はその純粋な状態のまま瓶詰めされるため、特有の深い口当たりを楽しむことができます。また、原酒は通常、オンザロックで提供されることもあるため、冷たくして飲むことでその風味をより楽しむことができるので、酒好きには特に人気があります。製法品質に...
詳細を見る乳酸は、日本酒の醸造過程において非常に重要な役割を果たす有機酸です。特に、酒母(もと)の製造において、酵母の純粋かつ大量な培養を促進するために重要です。 酒母は、発酵の基盤となる部分で、ここでの乳酸の生成は特に重要です。生酛系(きもとけい)酒母では、自然界に存在する乳酸菌を取り込み、その働きによって乳酸が生成されます。一方で、速醸系(そくじょうけい)酒母では、あらかじめ醸造用の乳酸を添加することにより、短期間での酒母の立ち上げを実現します。 乳酸は、醪(もろみ)の初期段階で汚染の危険が高い時...
詳細を見るラムは、主にサトウキビの汁や糖蜜を発酵させ、その後蒸留して作られる蒸留酒です。ラムはカリブ海地域をはじめとする熱帯地域で広く生産されており、ボディや風味が多様であることが特徴です。甘みとスパイシーさが調和した風味が楽しめるものが多く、ライトラムはフルーティーで軽やか、一方、ダークラムは濃厚で複雑な味わいを持つことが一般的です。ラムはそのまま飲むことはもちろん、カクテルのベースとしても人気があります。
詳細を見る麹(こうじ)は、主に米や麦に対して麹菌(こうじきん)を繁殖させたもので、日本酒を始めとする発酵食品の製造に不可欠な役割を果たします。特に日本酒の醸造においては、蒸した米に黄麹菌を育成させた米麹が使用され、この中で生成される酵素が重要です。 麹の成分には、米の中に含まれるデンプンをブドウ糖に変換するためのアミラーゼなどの糖化酵素や、米の蛋白質をアミノ酸に分解するための酵素が含まれています。これにより、米から得られる糖やアミノ酸が酒母やもろみの発酵を助け、日本酒特有の風味や香りを生み出します。 ...
詳細を見る酛(もと)とは、日本酒の造りにおいて非常に重要な要素であり、醪(もろみ)を仕込む前に優れた酵母を大量に培養したものを指します。酛は酒母とも呼ばれ、この工程を酛造りまたは酒母造りといいます。酛の作り方にはさまざまな手法があり、主に速醸酛と生酛に大別されます。 速醸酛は、乳酸を添加することで酵母を育てる手法で、短期間で酒造りを行うことができるため、効率的な醸造が可能です。一方、生酛は、自然に存在する乳酸菌を利用する方法で、伝統的な技術が用いられます。また、山廃酛や菩提酛など、さらに多様な手法もあ...
詳細を見る